復讐メール

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川谷 繁(カワタニ シゲル)は周りからのイジメに苦しんでいた。 小学校の高学年からイジメが始まり。 それは中学でも続き。 同じ中学の同級生がいない高校に進んでも、やはり標的になるのは容姿が優れていない自分で、イジメは続いた。 教師に言ったこともある。 だが、教師は自分のクラスでイジメが起きれば自分の評価に関わるので、公にすること無くクラスに注意するだけで終わる。 そして、それを聞いたクラスメイトたちのイジメはエスカレートしていく。 これでは悪循環にしかならない。 そう考えた繁はいつの間にか教師に頼らなくなり、泣き寝入りする毎日を送っていた。 なぜ自分がこんな目に。 その悲しみの感情はいつしか別の感情へと変わっていった。 それは恨み。 周りの人間が恨めしかった。 憎くて仕方がなかった。 自分を平均以下の容姿に産んだ両親も。 自分の容姿をからかい、イジメてくるクラスメイトも。 自分がイジメられていることを知りつつ、強く止めようとしない教師も。 全てにおいて恨めしかった。 何度、自ら命を絶とうと考えたことか。 だが、それを実行する勇気など無く、ただただ虐げられる毎日。 延々と続くイジメの日々。 高校を卒業するまで続くのだろうと思っていた。 だが。 それは突如して崩れ去る。
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