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高校二年のある日。
休日の昼下がり、繁が家の自室にいる時のことだった。
繁の携帯電話からメールの着信を知らせる音が鳴り響く。
自分の携帯にメールが来るとすれば、クラスの中心の男子生徒からのパシりのメールか家族からぐらいだ。
家族は今、家にいる。
男子生徒からも休日にメールが来たことはなかった。
故に、迷惑メールか何かだろうと思ったが、一応受信ボックスを開いた。
そこには新着メール1件の表示。
メールを開いて見ると以下のような内容だった。
─────────────────
from: Unknown
件名: 貴方には復讐メールの使用権利があります。本文をよく読んで使用するか決断してください。
[本文]
ヒトを、恨んでいませんか?
とても運がいいですね、貴方は。恨み
を晴らすことが出来るのですから。
のろいによって貴方が恨んで止まない
ろくでなしに復讐出来ます。
わずらわしいこの気持ちとも、おさら
ばしましょう。復讐メールによって。
あなたは件名に復讐メールと入れ、宛
名に復讐相手を。後は送るだけ。
ふたり同時に復讐は出来ないので注意
他人に送っても呪いは発動しません。
ツイシン。相手は本文通り行動します
─────────────────
全文を読み終えた繁は心臓を鷲掴みされたかのような感覚に陥った。
あまりにも人を恨んでいる自分の境遇と重なりすぎていたからだ。
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