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「あー、みんなに言わないといけないことがある」
いつものホームルームでの雰囲気と違い、真剣そのものといった感じで担任は話始めた。
その空気を察してか、クラスのみんなも喋ることなどせずに続きを待った。
「昨日のことだ。嶋崎が亡くなった。・・・自殺だったそうだ」
突然担任の口から放たれた衝撃的な内容の言葉に、一気にクラス全体が騒がしくなった。
ありえない。
嘘だろ。
クラスメイトが困惑し、そんな言葉が飛び交う中、繁は一人だけ相貌を見開き、頭が真っ白になっていた。
「昨晩、自分の部屋で亡くなっているところをご両親が見つけた」
昨晩。
つまり、あのメールを送った時間帯と一致している。
そのことを理解した瞬間、繁は異常なまでの恐怖と体の震えに襲われた。
「そこで、だ。校長先生からのお願いでみんなにアンケートを書いて───おい、川谷!? 待て! どこへ行く!?」
教師の制止の声は繁に届いたが、止まるつもりは毛頭なかった。
繁は恐怖と震えを振り払うように全力で走り、教室を後にした。
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