第1章:噂のメール

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 一軒家の2階の部屋、階段を上って直ぐ左に位置する部屋のベッドの上で、俺は頭を抱える様にうなだれていた。  かれこれ1週間は同じように悩んでいたと思う。 「ああ、駄目だな…さっぱり解決法が分からない」  考えても考えても謎は深まるばかりだ。 ……仕方ない、今は出来ることをやってみるしかないよなぁ。  自分の部屋を出ると、階段を降りて玄関へと足を進める。  リビングに繋がるドアを横切る前に、左の洗面所があるドアがガチャリと開いた。 「ふぅ~、気持ち良い」  姿を見せたのは、姉だった。  ネックウォーマーの小さい版? 見たいなので前髪を上に固定し、顔とおでこが見えている。  今は朝の7時5分だ、顔を洗ってから学校へ向かう準備でも始めるのだろうな…。  鼻唄を冷えた廊下に響かせながら、俺の方に向かって歩いて来た姉に静な動作で道を譲ると、声も交わすことなく姉はトイレへ、俺は玄関に向かった。  ここのところ数日程同じようなやり取りが繰り返されている。  その原因となっているのが俺だ…いや、俺に起こっている現象と言うべきかもしれない。  端的に結論を言うと…俺の存在がほぼ消えてしまったのだ。
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