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第一話
「アリスーー!おはよう!」
「メアリー、おはよう。」
メアリーアン、彼女はアリスの唯一の友だち。
しかし、アリスは彼女ですら信じていない。
過去のトラウマに囚われ、いづれ彼女も自分を蔑むだろうという恐怖に苛まれている。
可哀想なアリス。君は人を信じられない。
「…メアリー?そのキズどうしたの?」
「え?!な、何でもないよ!私ってドジだから!気にしないで!」
「…本当に?」
「ホントホント!」
彼女が嘘をついていることは明らかだ。
アリスには不信感が募るだけ。
心配させまいという気遣いは時として逆効果となる。
…二人の思いはすれ違うばかり。
通じあうことはできるのだろうか。
どう考えても、メアリーアンの様子はおかしい。
誤魔化すにも、骨折は不自然だ。
「メアリー…言って!私のせいなんでしょ?!」
「ち、違う!私はただあなたが大好きだから!アイツらに負けたくないだけよ!」
アリスを蔑んだものたちが彼女に嫌がらせをしていた。
それは異常なレベル。
しかし、それでもメアリーアンは彼らに屈しなかった。
けれど、今のアリスには届かない…。
「…嘘よ。嘘!あなたは自分に酔っているんだわ!
私が彼らに負けた可哀想な人だからって!
信じない!信じないから!」
「違うの!アリス!」
アリスは駆け出した。宛などない。
自分を信じてくれた相手まで突き放してしまったアリス。
スベテナクナッテシマエバイイ。
イイエ、ワタシガキエレバイイ。
そう彼女は思った。
そして…。
「アリス!危ない!!ああ!!」
メアリーアンの止める声も届かず、道路に飛び出し…彼女は車に跳ねられた…。
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