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第二話
「…ここはどこ?」
やぁ、いらっしゃい!アリス!僕は君を待っていたんだよ!
ああ、驚いた顔をしてるねぇ。…いや、睨まれてるか。
「…ふざけないで!私は死んだんじゃないの?!」
…いや、まだ君は死んではいないよ。
意識はここにあるがね。
ほら、ご覧よ…。君の友だちが泣いている…。
「アリス…!アリス…!私、どうしたら…!」
空間に大きなスクリーンが現れ、メアリーアンがアリスにすがり付き、泣いている。
「…信じない。信じないわ!
友情?!愛情?!そんなものはまやかしなのよ!
私はいない方がいいの!このまま死なせてよ…!」
…君は知らないだけだよ。いや、違うな。知りたくないんだ。
「…?!やめて!期待なんかしたくない!」
それでも聞いてもらうよ!
「?!」
…君は知るべきなんだよ。
愛されるとはどんなことか。
それは、苦しいことばかりじゃない。
くすぐったくて歯痒いときもある。
心が温かくなることもある…。
僕はそれを教えたくて君を導いた。
「…あなたは誰なの?」
僕に興味を持ってくれたかい?
嬉しいね。でも、まだそれは教えられないのさ。
…君にプレゼントをしよう。
試練とも言うべきかな。
「プレゼント?試練?」
新たな自分、本来持つべきだったものを手に入れる旅を…。
「え?あああああ!」
アリスは突然開いた穴に、真っ逆さまに落ちていった…。
…僕はずっと君を見ていたよ。
君は知るよしもないけれど。
人に愛されるとは何なのか?
君には知って欲しい…。
そして、帰ってきて…?
戻ったとき君は僕が誰なのかを思い出せるはずだから…。
…これは僕の…償いでもあるんだ。
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