第1章

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公園の中を見渡していた鈴木に高見沢が声を掛けて来た。 「良い社会に成りましたよね、先輩」 「ああ、そうだな、昔は休憩したくてもこんな立派な公園なんて無く、 熱射が直接照りつけるベンチでハンカチを頭に被りお茶を飲むしかなかったからな」 そう言いながら鈴木は良き社会になったここ3年の事を思い起こしている。 3年前に政権を奪取した民主主義人民共和党は全国民にスマホを支給し、行政や民間のサービスを全てスマホで代行できるようにした。 そのお陰で財布のかなりの部分を占めていたカード類が一掃されただけで無く、 お金のやり取りもスマホで代行出来る為財布を持つ必要が無くなる。 先程コンビニに入店する際店の出入り口でスマホをかざし入店したように、 全ての交通機関などを利用する時もスマホ1台で済ませる事が出来た。
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