rule A+

2/38
前へ
/38ページ
次へ
 ―side A― 「ねぇ、凛子さん」 「ん?なあに?」  あれからおよそ半年。彼は仕事の合間を縫って、突然電話をしてきた。 「今日って仕事終わるの何時くらい?」 「そんなに立て込んでないから、定時くらいには終わると思うけど」 「じゃあ、迎えに行っていい?」 「どうしたの?今日は遅くなるって言ってなかった?」 「そうなんだけど、予定変更」 「あ、そう……わかった。また後で連絡するね」  彼は思い立ったように行動をする。予定なんてあるようでないものだ。それがA型の私からしてみれば面白い一面でもあり、場合によっては振り回されっぱなしの一因でもあるんだけど……。 「先輩、会議始まりますよ」 「愛名ちゃん、先に行ってて」  しっかり者の後輩は、私が彼と話していたと見抜いたようで、冷やかすような視線を向けていた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

274人が本棚に入れています
本棚に追加