おじいちゃん

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 寝たきりになってから数ヵ月…。 毎日、お医者さんが往診にやってくる。  一向に良くならなくて、少しずつやつれていく祖父を看るのは辛かった。  それでも部屋を覗けば、僕に力なく笑顔を向けて、傍に来て顔を見せてと呟く。  近付けば、すっかりか細くなった手を頬に当て、静かに撫でる。  もう命の灯火が残り僅かだと僕にもわかった。
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