転校生

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 あれは、私が小学四年生の時の事。私のクラスに背が高くて色が黒くて、でも笑顔が優しそうな男の子が転校して来た。  転校慣れしているのか、物怖じしない人柄で、直ぐに皆と打ち解けて仲良くなり、いつの間にか人気者になっていた。  彼の名前は、西塚君。下の名前は、何故かどうしても思い出せない。  ただ、だれにでも親切でとにかく優しい男の子という印象は、強烈に覚えている。  私は人見知りが強くて引っ込み思案だったので、遠巻きに眺めているだけだった。  ある日、彼と同じ班になり、彼が班長になった。
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