第1章

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天草は漁業だけでなく、農業も盛んだったが、貧しい村で昔から海外への出稼ぎも多い。おはんの家も漁師とは名ばかりで、おはんは7歳の頃から子守に行き、二つ上の姉のふでは、商家のお店(おたな)奉公で家計を助けていた。おはんには二人の兄もいたが、男だから漁師として育てられ、時折農業の手伝いをしていた。農業といっても小作農でわずかばかりの耕作地を借りている。
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