番外ハッピーマリッジ

１ ダメ出しプロポーズ

【春妃目線】

一緒に住み始めてから一年。

亨の卵料理もレパートリー増えたなあ、としみじみ思いながらふわふわのチーズオムレツを口に運ぶ。

一年前の毎日不安定なスクランブルエッグを思い出して含み笑いをしていた時だった。

「結婚するか」

と、聞こえたセリフはプロポーズなのに、口調はまるで「テレビつけるか」くらいの軽さだった。

だから一瞬、プロポーズだとは気付かなかったくらいだ。

「は？」

と、顔を上げたら、何故か言った本人が呆気にとられた顔をしていて。
大事なセリフをいつもと変わらない日常の中思わぬ軽さで聞かされた私は、カチンと頭に来てしまった。