1 ダメ出しプロポーズ

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きつく目をつむった拍子にはらはらと涙が幾つも零れ落ちる。 とても食べ続けられなくて、フォークをテーブルに置いた。 がた、と少し粗野に椅子を引く音がして足音が近づいてくる。 気付くと亨の声がすぐ傍で聞こえた。 「何、泣いてんだよ」 「とーる、ごめん」 椅子の背もたれが押し開かれて、座ったままテーブルの正面から少し斜め向きに動かされる。 目を開くと涙でぼやけた視界の中に、跪いて困惑した表情で私を見る亨の顔があった。 「なんで、謝んの」 亨の顔は笑ってなかった。 だけど、私の顔を撫でる手は優しかった。
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