07.あらすじに補足

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× × × これまでの経緯を簡略的、つらつら小説風に語ってみる。 俺、下川治樹は極々普通の家庭に生まれた大学生。 家族に淡白だった父は夜な夜な別の“愛すべき”家族もとに、母は恋人を作っては俺等を虐げてくる、まあ極普通の家庭だった。虐待を抜かせばな。 一年前、六つ下の弟下川那智と実家を飛び出して二人暮らし。 二人暮らしに幸せを噛み締めていた俺等だったけど、那智が通り魔に襲われるという事件発生。 そこから始まる奇妙・奇怪・狂気・事件。 そこから生まれる束縛・依存・狂愛・関係。 鳥井政志というヘッポコ裏社会人に出逢うわ(中略)、ついには殺人に手を染めるわ(中略)、刑事に追われる身の上になるわ(中略)。 ストーカーさんに危うく監禁されそうになったり、ヒーローに憧れる青年に殺されそうになったり、散々な日々を過ごしてきたのであった。まる。 そして最後に、よくドラマでありがちなパターン。 実は福島と俺等兄弟は異母兄弟だったのだ! ……ま、陳腐な展開とも言う。 他人が期待しそうな展開の展開ってのは、そう簡単に生まれないものだろ。 当事者にとっちゃびっくら仰天なんだがな。 これで俺と福島辺りが恋に落ちていれば、 「まさか半分血が繋がっていたなんて、イヤン」 韓流的ドラマ展開になってかもしんねぇが。 残念、俺は那智一筋。弟命。弟至上主義。 那智のことを骨の髄からアイシテル。 これが恋情としてなのか、家族としてなのかは見極めに苦しいものがあるけどな。
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