第1章

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人生で初の彼女ができた。 苦節27年。 それっぽい女友達はいるにはいたが、これからの伴侶と思うような女性に出会えたのは、これが初めてである。 きっかけは、些細なこと。 大型量販店のゲームセンターで、俺がクレーンゲームをしてた時にたまたま取れたものを、必死でギャラリーをしてくれた彼女にプレゼントしたのがそもそもの始まり。 『スゴいです~!私、たくさんガンバったけど取れなかったです~!』 子供のようにはしゃぐ彼女に運命を感じたのは俺の勘違いではなかったみたいで、そのあとすぐにご飯に行き、人生初のキスをして、それからお互いの自己紹介をしあった。 いろいろと順番が違っていたが、些末な問題である。 彼女の名前は、【葛城 愛里咲(かつらぎありさ)】 見た目はまるっきり女子高生。 でも、本人が言うには22才の看護師だそうだ。 ユルフワのセミロングの髪に、愛らしい整った小さな顔。 身長は一般的に小さい部類に入るが、出るところ引っ込むところはしっかりとした、まるでグラビアアイドルのようなスタイル。 俺の人生でこんな出来事が待っていたなんて、未だに信じられない。 こりゃ、今後の俺の人生はエピローグみたいなもんだな。 と、出会った当初はそう感じていた。 今もその思いは間違ってないと思っている。
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