花に嵐編_漆
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ぐぃーーーん、とエレベータが静けさを切り裂く。 チンッという機械音と共に、私は一階に出る。 正面玄関の脇にある、通用口から出ると私はギョッとした。 巧が満面の笑みで赤のフェアレディの横に立っている。 「お疲れさま・・・」 何を・・・と私が言いかけると、巧が助手席を空けた。 「送っていくよ。」 助手席にあったのは 目覚めるのを忘れて、季節に置いてかれたように 狂い咲く青いアジサイの花束。
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