第1章

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部屋にひとりでいる時、おばぁちゃんから メールが届いた。 気をつけなさい。 おまえは、蟲神様に愛されてしまった。 気をつけなさい。 はて? 蟲神様って? わたしの頭の中は、はてなマークだったが、 巫女の系譜のおばぁちゃんの言う事は当たるので、嫌な予感と共に心にとめおいた。 矢先、カサカサ カサカサ カサカサ カサカサ 音がして、振り返ると窓一面にゴキブリの大群が群れをなして、隙間があれば部屋に入ってきそうな勢いで迫って、私の背筋は凍った。 蟲神様って……ゴキブリ!! そして、愛されてしまったって……。 おばぁちゃん助けて!!! 速攻で電話をかけるが、繋がらない。 するとまたおばぁちゃんからメールが届いた。 すぐ開けると絶句した。 おまえは 蟲神様に愛されてしまった。 どうすることできない。 あきらめなさい。 あきらめなさい。 あきらめなさい。 最後の言葉がこだまする。 私は声なく窓一面のゴキブリをみつめながら、蟲神様にあきらめてもらうよう、祈らずにはいられなかった。
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