7人が本棚に入れています
本棚に追加
/92ページ
あれ?
教室の前のドアに立て掛けてある【立ち入り禁止】と書かれてある大きい板をちょっとずらせば、中に入れるような気がしてならない。
ズズズッーーー
ほらほら。ずらし成功。
よって、教室内への侵入試みる。
「飛鳥くん!ごめん!!中に入るよ」
「ええぇぇぇ~!また寝てるし。
起きて飛鳥くん!不良に殴られちゃうかも。
どうしよう……」
「んん~~~……うるせぇなあ。
なんなんだよ、お前は……って、ワリー。
また寝てたわぁー」
ふと見た視線の先に、ド派手なドレス発見。
あっ、そうだ!
「飛鳥くん、今は何も言わずにこれ着て!」
私は真っ赤なヒラヒラロングドレスを掴み、飛鳥くんに向かって投げた。
「はあ!?これドレスじゃん」
「聞こえるでしょ?あの怖い声」
「ああ……そういえば」
「わけはあとで話すから、このドレスを着て、顔を伏せぎみで寝たふりしてて。息はちゃんとできる程度で」
「あたりまえだっつーの」
「じゃ、着てくれる?」
「……分かった。あっち向いてろ、バーカ!」
「あっ、うん……」
私はドレスに着替えてくれるであろう飛鳥くんに背を向け、こっそりニヤけていた。
だって、なんだかんだ言って飛鳥くんは優しいんだもんーーーー。
最初のコメントを投稿しよう!