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「どけってそこ!!」「ヤダー!」
うわっ!一瞬だけあのパツキン彼氏くんたちの存在を忘れてた……。
美人彼女が壁となってドア前を守ってくれてるのね。
ライバルでありながらあっぱれだわ!!
でもそろそろ限界を迎えそうな気配。
「飛鳥くん!もうそろそろあの人が突入してきそうだよ!!」
「分かってるって。焦るから静かにしてろよ。
てか、さっきからうるせーアイツ、誰?」
「あー、じゃあ簡単に説明するね。
ある美女がどっかで飛鳥くんに一目惚れそんでもって彼氏にバレて今に至る」
「句読点なし。おまけに早口ときたらあんま頭に入ってこねぇじゃんか!」
「とにかく飛鳥くんの身に危険がーーー」
「で?俺、お前の言うこと聞くんだから、お前も俺の言うこと聞くよなぁー」
こいつ、まったく危機感ない上に、この状況を楽しんでやがる。
「で?もう着替えてんじゃない?」
「ま~~だま~~だ」
その甘えた声が、いい意味で私の背中をゾクゾクさせた。
あ~……甘えてる顔も見てみたい……。
ひょっとして……私が今飛鳥くんの顔を見れない状況だからわざとやってるとか?
「お前っていつもお節介で一生懸命だよな」
え……?そういう風に思ってくれてたの?
これも収穫だ!!今日はいろいろヤッタ!!
「ところでさっきの返事聞いてねぇわ、俺」
「返事?」
「そう。俺の言うことも聞いてくれるのかなぁ~!?」
また甘えた声でぇぇぇ~~っ!
でもでも……
「え?なんで?」
「あー、やっぱ着たくねぇ。こんなもん」
コレコレ。やっぱこれが一番!
Sな飛鳥くんがもうっ!たまらん!!
「んーもうっ!分かったから早く着てよね」
「了~解!」
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