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「いい加減そこどけよ、テメェー!」
「キャッ!」
パツキン彼氏くんが力づくで彼女を押しのけ、とうとうこの教室に入ってきた。
ガラガラガラガラーーーー
「どこだよ!飛鳥ってヤツー!!」
飛鳥くん、既に寝たふり完了。
さあ、私の出番。
「部外者は立ち入り禁止ですけど、なんのご用ですか?」
「飛鳥って男がその中にいるんだろ?」
「いません。女の子ならいますけど、今疲れて寝てるんで静かにしてもらえませんか?」
「は?だけどさっきどっかの女がここにいるっつったんだよ。
そいつは……あれ?ドレス?女!?なんで寝てんだ…?」
ヤッタ!ひっかかってるし。
「確かに男子の飛鳥くんはどっかのクラスにいたような……。
でもこの学校には女子の飛鳥ちゃんもいるんです。
でもってこの子は飛鳥くんじゃなくて、飛鳥ちゃんの方ですっ!!」
「なんだと?」
「きっと女子たちが間違った情報を聞いて、ここにやって来たんだと思いますよ」
「そうだよ、タクミ。いつまでも怒ってないでさ、カフェコーナーでカップル限定スイーツ食べよ~よっ!ね?行こ!ねえ、お願いだからぁ~!」
「しょっ、しょうがねぇなあ。千春ぅ~。
じゃましたな、ネエちゃん。アバヨ!」
柳◯慎吾か!!
台風の如くバカップルは、カフェコーナーに上陸すべく、去って行った。
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