予感

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 その日の夜、珍しい人からメールが届く。 「なんだ?村瀬さんからメールだ」  それは斗眞が風呂へ入っているときだった。メールの着信にスマホを操作すると、理事長の村瀬さんから明日の放課後一人で理事長室にくるようにとの旨が書かれたメールが送られてきて首を傾げる。 「なんで……?」  理事長室には二回ほど行ったことがあるが、一人で来いだなんて今まで言われたことがない。つうか、今までだって一人で行ってたのにわざわざ書いてくるってのが気になる。  何となく胸がざわついてメール画面を凝視していると、脱衣所で音がし急いでメールを返信した。 「今日の入浴剤イマイチだね。なんか匂いがきつくてむせた」  髪をタオルで拭きながら歩いてくる斗眞が近づくにつれてその匂いが強くなる。 「ホントだ。すげえな匂い」
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