予感

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 二年に進級するこの春、オレと斗眞は同じ部屋になった。  基本、寮の部屋は三年間一緒で替わることはないのだが、授業についていけずに辞めた人間が数人いることから一人部屋の者同士が一緒になることになっていた。  斗眞は該当者で、同じく一人になった生徒と一緒になるところをオレは斗眞と一緒にしてくれと理事長に頼み込んだ。無理な話だとは思いつつ、言ってみなければわからないと頼んでみたらあっさりと承諾。理事長はオレと斗眞、そして大河と立花を一緒の部屋にしてくれた。  そうして大河が出ていき斗眞が荷物を部屋に運び込み、一緒の生活が始まったのが昨日。斗眞はまだ荷物の整理があって今日も朝から動いている。  オレはといえば、構ってもらえず放置され、さっきから斗眞の尻を追いかけていた。
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