予感

6/30
前へ
/94ページ
次へ
 これまでもお互いの部屋を行き来してきたが、これからは毎日一緒に寝食をともにできるかと思うとそれだけで心が弾む。  こうやって傍にいてすぐに触れあえることがこんなにもうれしいなんて驚きで、時間が経てば経つほど互いの存在が大事なものに思えてくる。  そうやってまた一年無事に過ごせたらと思いながら、新学期が始まるのだった。  新学期が始まってすぐに気になるのはクラス替え。  昇降口近くの廊下に張り出されたそれを、多くの生徒が群がり見ている。 「なあ、見えた?」 「ムリっ!こんなにいっぱいじゃ見れないよ。見た人はさっさと退いてくれればいいのにさ」  隣で背伸びをしながら必死に見ようとしている立花。その隣でのんびり構えている大河は然して気にならないのか明後日の方向を見ていた。 「じゃあオレ見てくるから待ってろ」  斗眞をその場に残して人の間をかき分け中に入っていく。 「悪ぃ。ちょっとごめんな」  無理矢理何とか見える位置まできたオレはクラス表に目を凝らした。 「おっ!?マジかっ!」
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加