第42章:いつかの敵は、今日の仲間

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マリアは、携帯電話を握る右手に、力が入った。 「あ、あの子を救おうとしてる人がいるの!?」 『おぅ。言っとくが、警察でも組織でも何でもねぇぞ』 「ち、ちょっと待って!そんなに勝手に行動されたら困るわ。 実は今、私たちサードニックス社の内部では、戦略を練っている所なのよ。下手に素人が動いて、あの子に危害が及ぶようなことがあれば―…!」 しかし咲は、構わず話を続けた。 『優がいる場所は、南側の551号室。普通の客室だ。 実行犯は全部で二人。 一人は黒人。一人は社長の側近の男。 ちなみに、その部屋の主もハッタリで一緒に監禁されてる。 だから部屋には四人いる。 飯とかは普通にもらえてる。トイレにも行かせてもらえる。 多分、あんたらが思ってるより、人道的には結構 配慮されてる。それだけは確かだ』
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