0人が本棚に入れています
本棚に追加
マリアは、携帯電話を握る右手に、力が入った。
「あ、あの子を救おうとしてる人がいるの!?」
『おぅ。言っとくが、警察でも組織でも何でもねぇぞ』
「ち、ちょっと待って!そんなに勝手に行動されたら困るわ。
実は今、私たちサードニックス社の内部では、戦略を練っている所なのよ。下手に素人が動いて、あの子に危害が及ぶようなことがあれば―…!」
しかし咲は、構わず話を続けた。
『優がいる場所は、南側の551号室。普通の客室だ。
実行犯は全部で二人。
一人は黒人。一人は社長の側近の男。
ちなみに、その部屋の主もハッタリで一緒に監禁されてる。
だから部屋には四人いる。
飯とかは普通にもらえてる。トイレにも行かせてもらえる。
多分、あんたらが思ってるより、人道的には結構 配慮されてる。それだけは確かだ』
最初のコメントを投稿しよう!