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『アイツはPAPT2号で乗組員のバイトをしている。日本語と英語がペラペラなのを良い事に、日本人通訳者として、ジェイド社に雇われている。父親である私に喧嘩を売ってるのかアイツは。ジェイドの船の乗組員だぞ!私という父親が サードニックスの社長であるにも関わらず!』
『別にダメだという決まりはないし、仕方ないじゃない。そんなに嫌なら、やめさせれば良いじゃない』
『知った時には すでに働いていた。お前も気づかなかったのだろう。一人暮らしを初めた頃に何か仕事をしているのかと問いただしたら、ジェイド社のPAPT2号船で、通訳を兼ねた乗組員のバイトをしているのだとな。ふざけやがって。私への当て付けか』
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株式会社サードニックスの、マリア専用の部屋。
”社長の妻”として、会社から与えられた部屋だ。
社長室の横にあるこの部屋で、マリアは薄い綺麗な水色のハンカチで涙を拭いながら、感情を抑えようとしていた。
彼女の脳内には、先ほど、夫・純一(じゅんいち)と交わした会話が流れていた。
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