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ピッ
『上城 咲(かみしろ さく)』
何年ぶりだろう?この子に私から電話をするのは・・・。
久しぶりに電話をしなきゃならないキッカケが、優が一大事になったからだなんて、皮肉な話だ。
マリアは『上城 咲』と表示された画面を見て、そんなことを思いながら、震える右手の人差し指で【電話をかける】ボタンを押した。
膝の上で左手をギュッと握り締め、紫色の綺麗な絹のスカートがシワになった。
トゥルルー トゥルルー
ピッ
『……はい』
咲の気ダルそうな声が聞こえた。
「…あ!あなたなの!?」
『あのさぁ彼氏じゃねーんだから。自分の息子に”あなた”って呼び方やめろっつーの。違和感あり過ぎんだけど』
「だって…っ!」
『で、何のよう?』
「あなた、いまPAPT2号に乗っているのよね!?」
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