第42章:いつかの敵は、今日の仲間

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ピッ 『上城 咲(かみしろ さく)』 何年ぶりだろう?この子に私から電話をするのは・・・。 久しぶりに電話をしなきゃならないキッカケが、優が一大事になったからだなんて、皮肉な話だ。 マリアは『上城 咲』と表示された画面を見て、そんなことを思いながら、震える右手の人差し指で【電話をかける】ボタンを押した。 膝の上で左手をギュッと握り締め、紫色の綺麗な絹のスカートがシワになった。 トゥルルー トゥルルー ピッ 『……はい』 咲の気ダルそうな声が聞こえた。 「…あ!あなたなの!?」 『あのさぁ彼氏じゃねーんだから。自分の息子に”あなた”って呼び方やめろっつーの。違和感あり過ぎんだけど』 「だって…っ!」 『で、何のよう?』 「あなた、いまPAPT2号に乗っているのよね!?」
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