第1話

ふたり

ある物語を読んだ。
重なる壁を乗り越えて、再び共に歩む二人のお話。

何年も会えなくても、声さえ聴けずとも、思い出の中の…記憶の中の相手のそばで、生きていたふたり。
しかも、お互いが同じ思いでいることをお互いが知ったのは、再会してから。

すごいよね、思い合うふたりの思いの強さ。

私はもう叶えることは絶対にない。
私には、叶えられる術がない。
せめて、あのふたりには、ずっと一緒にいてほしい。