4人が本棚に入れています
本棚に追加
拓真は俺の心配をして、途中まで一緒に学校へ向かってくれたんだ。
『学校が違ってもずっと友達だからな!!』
そういってくれた拓真には本当に感謝している。
拓真がいなかったら俺は高校にさえ行かなかったと思う。
希望高に落ちたことが分かって2次募集を探してくれたのが拓真だ。
俺は行きたくないの一点張りだったが、
「高校くらいちゃんと行け!!」
と、おかんみたいなことを言い、熱意に負けて俺は進学を決めた。
拓真と別れてからも一人で行く学校には抵抗があり、大分時間が経ってから学校へ到着した。
初日から遅刻・・・。やるきねぇな俺。
教室へ入ると皆が俺を直視した。
視線が痛い。
「え~と・・・ヒロキさん?ちょっと遅れたみたいですね。明日からはもうちょっと早く来てくださいね。」
教壇で申し訳なさそうに喋るこの人が担任なのだろう。
興味なく「はい」と返事をして俺は近くの空いている席へと座った。
『あの人、留年した人?』
『遅刻したのに、態度でかいね。』
『来て速攻、寝る気だし!!』
周りからコソコソ声が聞こえてきたが、俺は気にせず机に顔を埋めて寝ようとしていた。
俺はよく同い年の人より2、3個年上に見られ態度は人一倍でかかった。
それに人見知りもするから、極力知り合い以外とは話もしないし、絡もうとも思わなかった。
俺が眠りにつこうとした時、慌ただしくもう一人教室へ入ってきた。
「すみません、遅刻しました!!」
息を荒立ててきたその女は、皆に直視され、笑われていた。
遅刻しましたって・・・知ってるわ。
理由を言えよ。と心の中で突っ込んでしまった自分がいた。
担任もいきなりのことにびっくりしていたが、
「明日からは気をつけてくださいね」
とニッコリ笑い、席へと案内していた。
「うるさい奴だな・・・ま、寝よ」
また眠りにつこうとしていた俺。
だが席へと案内している担任とうるさい奴の足音が俺の席の前で止まった。
最初のコメントを投稿しよう!