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そんなの俺には縁がなく、その場の雰囲気が嫌で教室から出ようとしていると、さっきの遅刻女と不安そうな女の子が俺のとこに向かってきていた。
やば、と思い早歩きで教室から脱出した。
初対面の人にあそこまで絡めるって・・・あの女、すげぇ。
まぁ、どうでもいいけど。
授業が始まり教室へ戻り、休み時間になる度に教室から逃げるのを繰り返し、やっと放課後になった。
学校が終わり、約束通り拓真に電話をしていつも皆でたむろっている場所へ向かった。
着くと皆集まっていて、遠くから見るとお揃いの制服が羨ましいと思っている自分がいた。
輪に入ると皆絡んできて
「可愛い子いた?紹介して」
と早速、拓真が話しかけてきた。
「・・・良いのがいたぞ」
と遅刻女の話をしてシメに「死ね」と言われた事を話した。
これには流石に拓真もドン引き・・・。そうなるよな。
「他には?他に可愛い子いた?」
まだ諦めてないの?こいつもこいつですげぇ・・・。
「他の女なんてみてないよ。遅刻女から逃げることで精一杯だったし、興味もないし」
タバコに火を点けながらそう答えた。
(未成年の喫煙は禁止されております。マネしないでください)
「だよなぁ、ヒロキ、あいつと別れて以来、女に冷たいよね」
「・・・」
「ごめ・・・痛っっ」
謝ろうとした拓真に俺はゲンコツをした。前の女の話はしたくないと言っていたからだ。
「ま、まぁ・・・女は良いとして・・・なんか楽しいこと探してみたら?もう高校生だしバイトも出来るじゃん!!」
女の話を引っ張ったのはお前だろう?
まぁバイトか・・・、悪くないな。
「拓真にしては冴えてるじゃん。探してみるわ」
すると拓真も嬉しそうに一緒に求人誌で探すのを手伝ってくれた。
拓真は4月中旬からサッカーの部活があるため、それまでには決めて欲しいとのことだった。
中旬からはこの溜まり場も誰もいなくなってしまうんだろうな。
バイトだったら暇つぶしにもなるし、学校以外でやりたいことも見つかるかもしれない。
俺は皆と違う高校に通っていることをコンプレックスに思っている。
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