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あの高校の奴らと思い出作りなんて出来るなんて考えられない。
拓真には悪いが、やりたいことが見つかれば直ぐにでも辞めてやろう・・・15歳の俺はそんなガキだった。
とりあえず何件か電話を入れ、面接してくれるとこを探し、2週間後にはバイトが決まった。
決まったバイト先は結婚式場のウエイターの仕事。
だったのだが・・・急遽、案内されたのは厨房ではなく、『映像課』と書かれた個室へ案内された。
「急で申し訳ないね。ここの部署、人数少なくてね。この部署で披露宴の撮影をお願いするよ!!」
マジか・・・雰囲気的にオタクよな・・・マジか
せっかく探したバイトだし、初日だし。
自分に言い聞かせ、映像室のドアをノックした。
すると案の定、オタクっぽい社員の方。
「初めまして、この部署で一緒に頑張りましょう!!」
マジか・・・
映像室内はでかいビデオカメラが6台くらい。
小さいテレビや大きいテレビが10何個・・・
この部屋、若干暗いしね。
やっていけないだろう・・・
俺はそう思った。
「まだバイト生は来ていないので少し待ってて下さいね」
社員はそう言って俺に座るように促し、電気機器について語り始めた。
俺は急なことに対応できないタイプの人間で、いきなりの出来事にビックリすることだけしかできなかった。
バイト生が来てからも社員の話は止まらず、一通り話終えたのか、俺に自己紹介するように促した。
「・・・今日からこちらでお世話になることになりました、○○ヒロキです。よろしくお願いします」
・・・辞めてやる。
俺には無理だ・・・とりあえず挨拶はしたが、辞めてやろう。
「今日は初めてなので、皆がやる仕事の見学をしてもらいます。」
仕事モードに入った社員は少し男らしくなり、話を聞きながら、今、上でしているであろう披露宴の撮影を大きいテレビで観ていた
。
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