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郵便受けに、ラブレター。
真っ白な封筒には丁寧な字で、私への宛名が書かれていた。切手は、貼られていない。封筒の中に入っている便箋には、シンプルにたった一行、好きです、とだけ書いてあった。
何の前触れもなく届いた突然のその手紙に、私は少しの恐怖と興味を抱いた。差出人名は書いていない。と、思ったけれど、便箋の右下に小さく、山田と書いてあるのを見つけた。
どうしてこんなに分かりにくいところに。
それに、山田なんてありふれた名字だけじゃ本名を書いてくれているのか、適当につけた名前で私をからかっているのか分からない。けど、丁寧に書かれた文字と、あまり主張をしていないその漢字二文字で、なんとなく前者かな、と私は思った。
生まれて初めてラブレターを貰ったから、そう思いたかっただけなのかもしれないけれど。
この近所に、山田さんは住んでいない。一体、どこからやって来たのだろう、この一通の手紙は。
高校二年生を迎える直前の春休み、私に気になる人ができました。
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