花に嵐編_拾壱

10/20
前へ
/40ページ
次へ
  ガチガチガチッと歯が鳴り、首を小刻みに振る。 「・・・・・・や、めて。」 『・・・・・・・・・それ以上、近寄らないで・・・』 遼はようやく私を見たが、話を止めようとはしない。 そして、 愛おしそうに私の頬を撫ぜ、あろうことか、微笑んだ。 「祖父母の家にいた間は、幸せだったんだよね。 ・・・。 守り、愛され、やっと、安全な居場所ができた。 だが、それを壊したのもやはり父親だった。」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加