花に嵐編_拾壱

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  抵抗する私の手足首に 手錠が食い込み、ギシギシと音を立て始める。 ・・・・・恐怖から痛みを感じる余裕もない。 遼はまるで私を破壊することを楽しんでいるようだった。 「祖父が君に、と残した遺産であった母屋すら 君の父親は勝手に売り、君を追い出した。 病床の祖父が それだけは守って欲しいと遺言したにも関わらず。」 ポロポロと涙が零れ落ちる。 『イヤだ、イヤだ、イヤだ、イヤだ、イヤだ、イヤだ、イヤだ・・・・・』 この蓋には触れたくない。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・この蓋は、怖い。
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