花に嵐編_拾壱

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  目を開けた瞬間、遼と目が合う。 彼は既に答えを分かっているようで、満足げな笑みを浮べていた。 「・・・。 由紀さんのそういう賢いところは、俺、好きだよ。」 嫌悪から、鼻に皺がよるほど、顔を歪めた。 クスッと可笑しそうに遼は笑った。 「俺ね、確かに 由紀さんに恋愛感情は全くないけど、情はあるんだよ。」 眉を寄せた私に、遼は微笑む。 「由紀さんと俺、境遇が似ているから・・・・・・」 謎めいた言葉に、探るように遼を見る。 ハハッと遼は声を上げて笑った後、穏やかに微笑んだ。
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