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「痛いじゃないかぁ」
「忘れたなら風呂場から呼べばわかったろ!」
「ごめんってば」
「次やったらギャラルホルン吹くからな」
「それはごめんだよ」
ロキが嫌がるギャラルホルン。
街角のネタ屋で買ったものだ(五百円+税)
白地と黒字のシマシマに綺麗な緑の石が埋め込まれたもので、吹くと言葉では言い表せない程トンデモない音がする。
とはいえホコリだらけになるともっとひどい音がするので手入れが欠かせないというロキ曰く「魔の笛」
デザインは好みなのだが。
「それよりさ、来週なんだけど」
「…ん」
「ようやく課題が片付きそうなんだ。」
「!」
「はやく帰って来られるようになると思うよ、」
「もっとはやく言え…」
ヘム君うれしそう、などとほざく馬鹿をぺちぺちとしばく。
「照れ隠しも可愛いけど痛い痛い」
そんなに力は込めていないが。
まぁ相手もそれはわかっていることだろうので、放っておく。
「来週の日曜日、久しぶりにデートしようか」
「…」
ニコニコと聞いてくるロキに全力で頷く。
常に一緒に住んでいるだろう、と言われてしまえばそこまでだが、やはりデートは特別なもので、どうしても今から浮き足立ってしまう。
「ヘム君うれしそう」
ニコニコと眺めてくるロキ
「あたりまえだろうっ!
…楽しみじゃないわけが…」
やっぱりヘム君可愛い。と抱きしめられてしまったので、そのまま埋まっておいた。
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