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学校に着いてからも講義に出たりしているとあっという間に放課後になり、課題に取り組む。 5時を回ったあたりでライムに着信があった。 「ロキ、助けて、早く帰ってきて!」 「なにがあったの」 「知らないおばさんが押しかけてきて居座られてひとしきり撫で回されてお茶とお菓子強要されてテレビ勝手につけられてゴロゴロされてる」 「…だいたい予想はついたよ。 六時くらいには帰るね」 「早くして!」 「はいはい」 班の人達に適当な言い訳をして自転車で急ぐ。 帰り着くと玄関でヘム君が座り込んでいた。 「あれ…」 「うん、もう大丈夫だから、ね?」 「…」 リビングに入ると案の定小太りのおばさんがせんべいをかじりながらお笑いを見て笑っていた。 問答無用でテレビを切る。 「なにすんの」 「こっちの台詞だよ母さん」 「あらあらまぁまぁおかえり秋斗 息子の家にいつ親が来たっていいじゃないの。」 「良くない。ヘム君が怖がってるじゃないか」 「そう、そうよ秋斗、あの可愛らしい子は誰なの? あなた、誘拐でもしたの?」 「誘拐なんかするわけないじゃないか ヘム君は僕の恋人、同居してるの。」 「ヘムっていうのね変わった名前」 「違うから!」 それからわかってもらうのに軽く二時間はかかった。
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