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体調不良を上司に伝え、早退し家路を急いだ。
家に帰る頃には、辺りは暗くなっていたが
遠くに見える家には、明かりが灯っていた。
やはり。絶対、おかしい。
あわてて鍵を開け、家に飛び込むと
キッチンからいい匂いが漂ってきた。
「あら、お帰り。早かったのね」
俺は動揺を隠しつつ、平静を装った。
「あぁ・・・ちょっと体調が悪くてね。早めに上がらせてもらったんだ」
「大丈夫?風邪?」
「たぶん・・・な」
「顔真っ青よ。早く休んだほうがいいんじゃない?」
包丁を持ったまま、そう労わる声に、冷や汗をかきながら
寝室へと逃げ込んだ。
「そんなはずはない・・・だって・・・」
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