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・・・翌朝、10:00。
私は肩で風を切りながら、事務所へ続く廊下を歩いていた。
あのタヌキ親父に、昨日の居留守を心底後悔させてやるんだッ!
そう心の中で呟きながら・・・
・・・バンッ!!!
「おはようございますッ!」
まずは、勢いよく事務所の扉を開ける。
「・・・ひゃッ。」
すると、扉の向こうで、小さな悲鳴とともに小動物が隠れる気配がした。
・・・フッ・・・逃げようったって、そうは行きませんからね!
私は、ツカツカとデスクの前まで歩いて行くと、その下をヒョイッと覗いた。
「・・・おはようございます。黒川さん。」
「・・・ひゃッ。」
「さ、早いとこ、ソコから出て下さいね。」
「ああーん、七瀬ちゃーん! 悪気はなかったのぉー! 私、悪気はなかったのよぉー!」
なぜかオネエ言葉で許しを乞おうとする黒川氏が、ウソ半泣きの表情を浮かべながら顔を出した。
「とりあえず・・・どういう事なのか、説明してもらいましょーか?」
私はデスクの前で仁王立ちすると、彼の逃げ道を完全に塞いだ。
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