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「ホント、あのお宅には参っちゃってるのよねぇー・・・担当を付けても1ヶ月と持たないし・・・でも、お給金だけははずんでくれる上得意様だから。まぁ、背に腹は代えられないっていうの?こちらとしても、失うわけにはいかなくてね。」
黒川氏は、ガックリと肩を落としながら床を見つめた。
「原因は、やっぱり・・・あの5歳児ですか?」
「うん。あの子、IQ150の天才児なんですって。そりゃ、凡人には相手出来ないわよね。」
「・・・IQが・・・150?」
たしかに、出来る子だとは思ったけど、そこまでとは・・・
「七瀬ちゃんには、悪い事しちゃったわね。結果的に騙したような格好になってしまって・・・でも、七瀬ちゃんなら上手くやってくれるような気がしたの。それだけは信じてちょうだい。」
「・・・黒川さん。」
そりゃ、あの家じゃ、担当もすぐに逃げ出してしまうだろう。
きっと、ブッキングする方も大変だったに違いない。
私は、申し訳なさそうにこちらを見つめる黒川さんに、少しだけ同情してしまった。
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