第2章

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***** 夜、7時を少し過ぎた頃・・・ 「悪い・・・遅くなった。」 そう言って、城崎さんが慌ただしく帰宅した。 忙しいと聞いていたから、きっと今夜は佐伯さんが来ると思っていたのに・・・ 急いで帰って来たのが分かる息遣いに、私の心は意味不明なざわめきを立て始める。 「あの・・・お皿、ありがとうございました。」 「・・・ああ。」 城崎さんは、素っ気なくそう言うと、おもむろに上着を脱いだ。 そして、ゆっくりとネクタイを外すと・・・ 「・・・ん。」 そう言って、ソファーに座りながら自分の肩を指差した。 それは、もしかして・・・また肩を揉め!って事? 後ろで戸惑う私に、彼は、あたかもそれが当たり前であるかのような口調で言った。 「今日は、勝手に帰るなよ。」 それは、明らかに「帰りが遅くなる」という事を意味していて・・・ 帰りが遅くなる理由なんて、一つしかなくて・・・ 私は、断る勇気も持てずに「分かりました。」と、項垂れるように呟いた。
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