第2章

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***** 「・・・やっぱり!」 「ん? 何が、やっぱり、なんだ?」 「いえ、こっちの話です。」 ふん・・・おそらく、レクサスあたりの高級車に乗ってるんじゃないか?と、薄々思っていたわけですよ、私は・・・ そう思って待っていたら、駐車場から「L」のエンブレムも輝かしい黒塗りの高級車が出て来たわけですよ、ビューンって・・・ そりゃ、「やっぱり!」って声の一つや二つ、出ちゃってもおかしくないでしょ! 「何をゴチャゴチャ言ってるんだ?」 「あ、聞こえてました?」 「・・・・・」 『遅くなった時は、オレが送るから勝手に帰らないように』 その言葉通り、城崎さんは、肩揉みが終わるとすぐに車のキーを持って、私を送ると言ってくれた。 まぁ、遅くなる理由は、城崎さんが作ってるんだし・・・ そう思って、ご厚意に甘えているわけだけど、その後は、道案内をする以外に特に会話もなくて・・・ こんな時に限って、昂くんも、後ろの席でただ黙って外を眺めていたりする。 まったく・・・いつもなら、こちらが黙っていても、減らず口を叩いて来るのに。
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