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それにしても、城崎さんが忙しい最中だったとは・・・そんな事、思いもしなかった。
てっきり、ヒマだから早く帰って来るんだとばかり・・・
きっと、あの肩の張り方は、連日の無理な就労によるものだったのだろう。
それなのに、毎日家まで送ってもらったりして・・・何だか、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
帰り際に聞いた佐伯さんの話を思い出しながら、お風呂の中で猛反省をする事、早40分。
いつの間にか、ふやけてしまった指先を見つめながら、また「何チャラアフター」を見逃してしまった事に気がついた。
でも、さすがに今夜は、そんなにショックではない。
なぜならば、城崎さんの「ビフォーアフター」の方が、よっぽど謎だったからだ。
メモ書きの言葉には、いつも優しさが溢れていて・・・
夜なのに、わざわざサボテンのお皿を買いに行ってくれて・・・
どんなに疲れていても、必ず私を家まで送り届けてくれる。
それなのに・・・私に笑顔を向けてくれないのは、どうしてなんだろう?
彼の優しい笑顔を見たのは、たった一度・・・昂くんにキスをした、あの時だけ・・・
でも、私と目が合った瞬間・・・その笑顔は、跡形もなく消えてしまった。
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