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そして・・・なぜか、リビングの真ん中で1.5VS1・・・
私は、そこそこいいように詰められていた。
「だいたい、帰ったところで寝る場所もないんだろ?」
「ないんだろ?」
「ええ、まぁ、おそらく・・・」
「だったら、ココに住めばいいだろ。どうせ、毎日来るんだし・・・」
「来るんだし。」
「それは、そうですけど・・・」
「じゃあ、いったい何が不満なんだ?」
「不満なんだ?」
まさか、『その小っちゃいヤマビコがめんどくさい上に、気が抜けない生活なんて真っ平御免なんですけど・・・』とは言えない私は、すこぶる丁重に言葉を選びながら抵抗してみた。
「あの・・・でも、やっぱり・・・城崎さんにご迷惑をおかけする訳には・・・」
・・・すると
「だから、さっきから言ってるだろう?部屋が余ってる、って!」
そう言うと、城崎さんは、昂くんを抱えたままドカッとソファーに座ってしまった。
ああ・・・どうやら、また嫌われてしまったようだ。
やはり、この手のイケメンは、付かず離れずの距離にいて、妄想の中だけで活躍してもらうのがちょうどいいのかもしれない。
でないと、ほら・・・こんな風に、心が痛く・・・
私は、さっきからずっと向けられている鋭い視線に胸を痛めながら、ただただ床を見つめていた。
・・・すると
「いいから・・・ココに来いよ。」
・・・ほよっ?
彼の低くて優しい声は、私の顔を上げさせるのに十分なくらい威力があり・・・
「・・・はい。」
その真っ直ぐな視線は、完膚なきまでに私を捕らえ、そして従順にしていた。
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