第3章

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・・・バタンッ! 冷蔵庫を開けようとした瞬間、バスルームの扉が閉まる音がした。 (城崎さん、今、お風呂から上がったんだ・・・) そう思いながら、近づいて来るスリッパの音に振り向くと・・・ そこには、あられもない格好をした城崎さんが立っていた。 (・・・おおぅ!) 見れば、黒いスウェットのズボンを穿いた城崎さんの上半身に衣服はなく、ただ首からタオルを掛けているだけ・・・ それだけでも鼻から赤いものが出て来そうなのに、ご丁寧に髪まで濡れていらっしゃるなんて・・・ 何と、艶やかな事か・・・ せっかくなので記憶の中に留めておこうと思い、しばし見つめ続ける事、数秒間・・・ ロックオンしていた物体は、無言のままこちらに近づいて・・・近づいて・・・近づいて・・・近づ・・・ん?・・・ 「・・・うほっ!」 お風呂から出たばかりの熱気を肌で感じ取ったとたん・・・私は冷蔵庫に背中を預けながら、そのままズルズルと座り込んでしまった。
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