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「・・・え?」
「だから、新しい家政婦か?って聞いてるんだよ。」
「そうだけど・・・キミが昂くん? 私、七瀬 碧(ななせ あおい)。よろしくね!」
そう言って、昂くんにニッコリと笑みを返しながらテーブルに荷物を置いていると・・・
「は? 昂『くん』?・・・オマエ、何言っちゃってんの?」
「え、何って・・・」
「初対面の人に対して『くん』って何だよ。フツーは『さん』だろ?そんな事も習わなかったのかよ。まったく・・・コレだから、女ってヤツは・・・」
昂くんは、その愛くるしいお顔を盛大に歪ませながらそう言い放った。
あの・・・もしかして、あなた、小さい悪魔ですか?
けっこう、そこそこ、大いに・・・メンタルに響いてますけど?
私は体勢を整えると、昂くんの顔の位置まで下がってムリヤリ笑顔を作ってやった。
「では・・・『コウサン』でいいですか? いきなり負けた感じの呼び方になっちゃってますけど・・・それでも『コウサン』でいいですか?」
・・・すると、小さい悪魔は
「・・・チッ!」
何と、舌打ち一つで返事をして来やがった!
チクショー! こ、この・・・クソガキがぁー!
さっきから聞いてれば、イイ気になりやがって・・・
舌打ちがイケナイ事だ、って教わらなかったのかよッ!
「さん付け」の前に、教わらなかったのかよーーッ!
一気に脳内マグマが噴出しそうな状態を何とか堪えながら、一生懸命笑顔を取り繕っている私は、今、ものすごーく「健気」な人間に見えているはずだ。
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