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「うーむ・・・ちゃんと服は着ていたし、城崎さんも特に何も言ってなかったし・・・貞操は守れたはず!でも・・・」
「アオイ・・・さっきから、何をゴチャゴチャ言ってるんだ?」
「いえ、おかまいなく。こっちの話ですから。」
昂くんを幼稚園に送って行く道すがら、私は昨夜の痴態を隅々まで思い出そうと必死になっていた。
『貞操は守れたはず!』とか言っておきながら、守れていなかった時の記憶が戻るのを、少しだけ期待しながら・・・
しかしながら、最初からないものは、どうやっても記憶など戻らないわけで・・・結局、「何もなかった」と結論付けるしか道はなさそうだった。
「やっぱり、女として認識されてないって事かぁ・・・はぁ・・・」
項垂れるように歩きながら、次第に昂くんを掴む手の力も緩んで行く。
・・・すると
「フフッ・・・昨夜は、大変だったようだな。」
「・・・は? なぜ、ソレを?」
口角を上げながら私を見つめる昂くんにギョッとして、思わず手を離してしまった。
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