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「・・・昂さん? どうしました?」
舌打ちをしてからというもの、すっかり大人しくなってしまった悪魔に向かって、真っ黒い笑顔を晒す。
すると、その愛くるしい口元が、ゆっくりと開いた。
「・・・しょーがないな。昂くんでガマンしてやるよ。」
「・・・へ?」
「だから、昂くんでいい!って言ってるんだよ。オマエ、耳遠いのか?」
フフッ・・・昂さんが降参。
・・・プププッ!
「・・・なんだよ。」
「いいえー、べつに・・・ププッ。」
ふーんだ! 今時の23歳は、その辺の5歳児なんかチョチョイのチョイなんですからねーっだ!
私は、湛えた笑顔はそのままに、心の中で盛大に舌を出した。
・・・すると
「オマエさ、けっこうなドヤ顔してるけど、虚しくならないの? オレ、まだ5歳なんだけど・・・」
「・・・は?」
「ちなみに・・・『くん付け』を許したのは、アオイだけだからな。他のヤツが呼んだら、その場でぶっ殺すから・・・そこんとこ、よろしく。」
・・・ア、アオイ? 私だけ、呼び捨てですか? しかも、「ぶっ殺す」って・・・
「・・・はぁーーー?!」
な、何てガキだ・・・私、これからずっと、こんなクソガキの世話をしていかなくちゃいけないわけ?
イヤだ・・・絶対に、イヤだ! 絶対に私・・・崩壊する。
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