第1章

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「・・・昂さん? どうしました?」 舌打ちをしてからというもの、すっかり大人しくなってしまった悪魔に向かって、真っ黒い笑顔を晒す。 すると、その愛くるしい口元が、ゆっくりと開いた。 「・・・しょーがないな。昂くんでガマンしてやるよ。」 「・・・へ?」 「だから、昂くんでいい!って言ってるんだよ。オマエ、耳遠いのか?」 フフッ・・・昂さんが降参。 ・・・プププッ! 「・・・なんだよ。」 「いいえー、べつに・・・ププッ。」 ふーんだ! 今時の23歳は、その辺の5歳児なんかチョチョイのチョイなんですからねーっだ! 私は、湛えた笑顔はそのままに、心の中で盛大に舌を出した。 ・・・すると 「オマエさ、けっこうなドヤ顔してるけど、虚しくならないの? オレ、まだ5歳なんだけど・・・」 「・・・は?」 「ちなみに・・・『くん付け』を許したのは、アオイだけだからな。他のヤツが呼んだら、その場でぶっ殺すから・・・そこんとこ、よろしく。」 ・・・ア、アオイ? 私だけ、呼び捨てですか? しかも、「ぶっ殺す」って・・・ 「・・・はぁーーー?!」 な、何てガキだ・・・私、これからずっと、こんなクソガキの世話をしていかなくちゃいけないわけ? イヤだ・・・絶対に、イヤだ! 絶対に私・・・崩壊する。
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