第1章

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***** その後も・・・ スーパーで、卵をカゴに入れようとすれば「卵の特売日は明日だ!」と横から口を出され・・・ 夕飯のオムライスの上に、ケチャップで『ドラえもん』の絵を描けば、「子供扱いするな!」と不機嫌になり・・・ 洗い物をしていれば、「水を出しっ放しにするな!」と注意され・・・ いったい、どちらが大人なのか全く分からない時間が続いた。 ううっ・・・これから毎日、こんな生活が続くなんて・・・ おそらく前任者も、あのクソガキにやり込められて挫折したクチだろう。 今回の派遣先変更は、「担当者不在」ではなく「担当者辞任」が理由だったのは、火を見るより明らかだった。 ・・・ちっくしょー! あのタヌキ親父め! 打ちひしがれながらも、何とか業務をこなした私は、心身ともにすっかり疲れ果ててしまい・・・ダラーンとダイニングテーブルに臥せっていた。 ・・・すると ・・・ピンポーン♪ 「城崎コーポレーションの佐伯(さえき)です。遅くなって申し訳ございません。」 インターホンから、天の声が聞こえた。
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