六月二十四日

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その時ふと、爽やかな匂いが鼻を抜けた。 それは、一瞬、ただ一瞬の事だったが、たしかにそれは、すっとする、懐かしく、優しい匂い。 ああ、カルピスの匂いだ。 そう心が気づいた時、僕にまとわりついていた息苦しさはなりを潜めた。 胸の中いっぱいに、軽い気体が満ちた気がした。
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