語り部

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「飲み物を頼み飲んで一息ついた男は一人の女性に話し掛けたんですよ」 女性はずっと自分の顔を見ながら話していた (かわいいなー。でもなんか今の状態に似てない?) さらに女の話に耳を傾ける 「男は飲んでいて気付いていなかったのかいつの間にか周りの客は一人もいなくなっており女性の話だけが聞こえたんですよ」 それを言われいつの間にかマスターがいなくなっていたのに気付き周りにも誰もいなかった 「男は不思議に思い立ち上がるといきなり電気が消え女もいなくなっていました」 「そっ…そうなんだ。…ちょ…ちょっとトイレに」 席を立ち上がると。その時いきなり電気が消え月明かりに照らされたカウンターには女などいなかった 「なっ!なんなんだよ!」 急いで鞄を持ち出口に走ると 「そこは昔女が自殺してから閉店した所だったんだから。あはははははははっ!」 紐を首に付け笑いながら女が上から落ちてきた 「あっれー?さっき飲み物頼んだお客さん鞄置いてどこ行ったんだろ?」 マスターはまだ水滴が滴るグラスを眺め周りを見渡すが男はどこにもいなかった
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